2024 年 80 巻 21 号 論文ID: 24-21017
都市高速道路の橋面舗装の定期点検では,高解像度なラインスキャン画像が使用されている.オペレータは,ラインスキャン画像から目視によりひび割れの有無を判定している.この作業には,多大な時間と労力を要する.そのため,既存研究では,分割した画像単位でひび割れの有無を自動判定する手法が考案されている.しかし,この手法では,ひび割れの有無をピクセル単位で特定できないため,オペレータの作業を代替できる成果が得られない.
本研究では,画像領域分割を用いて,ラインスキャン画像からひび割れをピクセル単位で検出する手法を考案した.実証実験の結果,密粒舗装および排水性舗装のひび割れ検出のF値が約0.8となった.さらに,舗装種別に応じた最適な画像領域分割の手法とひび割れの検出に有効となる画像処理を解明した.