日本補綴歯科学会誌
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◆企画:誌上シンポジウム「全身疾患と口腔機能」
薬剤と口腔機能
柏﨑 晴彦
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2020 年 12 巻 4 号 p. 330-336

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抄録

 口腔に対して機能的・器質的な障害を生じる薬剤は,口腔機能低下をもたらす可能性がある.意識レベルや注意力を低下させる薬剤,唾液分泌低下を起こす薬剤,口腔運動機能を障害する薬剤,味覚障害を起こす薬剤,口腔粘膜障害を起こす薬剤に大別できる.対応としては,主治医と連携したうえで,薬剤の変更や減量が有効であるが,変更不可能な場合が多くある.原因薬剤への対応に加え,口腔環境の改善・維持をはかることが大切である.薬剤性味覚障害や抗悪性腫瘍薬による口腔粘膜炎については特異的な対応が必要である.処方されている薬の情報について正しく理解することが大切である.

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