日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
過蓋咬合の患者に対して可撤性義歯による機能回復を行った症例
駒ヶ嶺 友梨子
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2020 年 12 巻 4 号 p. 360-363

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抄録

症例の概要:70歳男性.「右で噛めないので噛めるようにして欲しい」との主訴で来院した.過蓋咬合であり,咬頭嵌合位での上顎と下顎の前歯部同士の咬合接触は認められず,前後的類すれ違い咬合であった.

考察:固定性補綴物と治療用義歯による欠損補綴治療を行い,更に最終義歯の製作・装着後,3年4か月経過時に咀嚼筋に疼痛を訴えたが,その後,残存歯,歯周組織,顎関節,補綴物に大きな問題は認められておらず,良好な経過をたどっている.

結論:上顎臼歯部の固定性補綴物と上顎前歯部と下顎臼歯部のリジッドサポートを考慮した設計の義歯の装着により,咀嚼機能の回復と残存している臼歯部の咬合支持の長期的保存を可能とした.

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© 2020 公益社団法人日本補綴歯科学会
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