2021 年 13 巻 3 号 p. 249-252
症例の概要:55歳の男性.食事困難を主訴に来院した.下顎臼歯部の固定性ブリッジと全部鋳造冠がう蝕により脱離していた.下顎義歯は維持不良で床粘膜面が不適合であった.う蝕に起因する歯冠補綴装置脱離および義歯維持不良による咀嚼障害と診断し,歯冠補綴装置と可撤性局部義歯を製作した.根面アタッチメントや根面板を使用して義歯の支持を増加させ,また補綴空隙の少ない部位に金属歯を用いた.
考察:根面アタッチメントとクリアランスの少ない部位へ金属歯の使用で,義歯の咬合や支台歯が長期安定したと考えられる.
結論:デンチャースペースの少ない部位に金属歯とアタッチメントを用いた義歯を製作し,咀嚼障害を改善することができた.