2021 年 13 巻 3 号 p. 269-272
症例の概要:48歳の男性.上顎硬口蓋部に生じた多形腺腫を切除した.手術後の口蓋骨粘膜欠損による発語障害と診断し,欠損部を被覆する閉鎖床を装着し改善をみた.
考察:今回の症例では多形腺腫切除後,閉鎖床の製作により発語明瞭度の改善を認めた.切除範囲に応じて構音,咀嚼,嚥下機能を考慮した再建方法の選択が重要となることが考えられる.
結論:手術後の口蓋欠損に対し,レジン床による閉鎖床を装着することで,また閉鎖床に対しては慣れることにより発語明瞭度が改善することが示された.