2022 年 14 巻 1 号 p. 73-76
症例の概要:患者は67歳女性.下顎全部床義歯の動揺による咀嚼困難を主訴に来院した.下顎の顎堤は骨吸収によりヒモ状を呈しており,|12 の動揺によりオーバーデンチャーの維持は不良であった.|12 を抜歯し下顎に2本のインプラントを埋入後,根面アタッチメントを用いたインプラントオーバーデンチャーを装着した.
考察:装着中の義歯の形態を利用してインプラントの埋入位置を決定し,根面アタッチメントを用いた最終補綴装置を製作し維持を得たことで咀嚼機能が改善した.
結論:下顎がヒモ状顎堤を呈する無歯顎患者に2本のインプラントと根面アタッチメントを応用したインプラントオーバーデンチャーを装着したことで良好な結果が得られた.