2022 年 14 巻 3 号 p. 273-276
症例の概要:患者は79歳の女性.上顎左側臼歯部顎堤部に生じた扁平上皮癌に対し,上顎部分切除術が計画され,補綴科を術前受診した.術後早期からの顎口腔機能回復を目的に術後即時顎補綴装置(immediate surgical obturator,以下ISO)を製作,術直後より装着した.術後3週目より口腔リハビリテーションを開始し,術後2カ月で術前と同程度の食形態が摂取できるまで回復した.
考察:術前からの補綴的介入,マルチディシプリナリーアプローチによる医療連携および適切な手順を踏まえた補綴装置の製作により,術後の口腔リハビリテーションを円滑に行うことができた.
結論:人工歯を排列したISOの装着は,口腔腫瘍切除後の顎欠損を有する患者のQOLの改善に貢献できることが示唆された.