2022 年 14 巻 3 号 p. 293-296
症例の概要:43歳女性.近医にて保存困難と診断された上顎前歯部欠損補綴に関して,セカンドオピニオンを受けるために来院した.抜歯後の欠損部顎堤形態の不整を認めたために,顎堤形成術施行後,最終補綴装置を装着した.
考察:顎堤形態の回復のために,顎堤形成術およびプロビジョナルレストレーションを用いて審美性,機能性および清掃性の確認した後に,審美性と生体親和性の高いジルコニアを用いることで,メインテナンス性の高い長期的に安定した予後が得られた.
結論:抜歯後の顎堤形態の変化に対して,適切な診断のもと,明確な治療成果を見据えた治療計画が必要であると考えられた.