2022 年 14 巻 4 号 p. 387-390
症例の概要:73歳男性.多数の虫歯でかめないことを主訴とし来院.多数歯齲蝕・歯周炎進行による咬合支持歯減少と咬合高径低下を認めた.治療期間中に生じた歯根破折歯には意図的接着再植法を適用した.プロビジョナルレストレーションおよび治療用義歯によって咬合挙上を伴う咬合再構成を行い,最終補綴装置を装着した.
考察:強固な両側性臼歯部咬合支持とアンテリアガイダンスの付与により咬合崩壊に至るリスクを減じることができたと推測される.
結論:本症例では,咬合挙上を伴った上顎クロスアーチブリッジおよび部分床義歯,下顎臼歯部連結冠および臼歯部ブリッジによる咬合再構成を行うことで咀嚼機能の回復と良好な経過を得た.