2023 年 15 巻 1 号 p. 105-108
症例の概要:75歳男性.3 |前装鋳造冠脱離に伴う義歯不適合による咀嚼困難を主訴に来院した.前装鋳造冠および下顎部分床義歯を製作後,来院が途絶えるも5 | 全部鋳造冠脱離を機に治療が再開した.保存困難な歯の抜去後,上顎は磁性アタッチメントとオーバーデンチャー,下顎は全部鋳造冠と部分床義歯を製作した.
考察:磁性アタッチメントによる歯冠歯根比の改善,把持効果を最大限に得られる設計とした下顎部分床義歯により上下ともに義歯の安定が得られ,咀嚼能力の改善と患者の高い満足度が得られた.
結論:多数歯欠損を有する患者に対し,磁性アタッチメントを用いたオーバーデンチャーで治療を行い良好な結果を得ることができた.