日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
鋏状咬合を伴う過蓋咬合に対して可撤性部分床義歯により咬合再構成を行った症例
秋葉 奈美
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2024 年 16 巻 1 号 p. 115-118

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抄録

症例の概要:66歳の男性,咀嚼困難を主訴に来院した.下顎両側臼歯部欠損を長期間放置していたことにより補綴空隙が不足し,大臼歯の咬合支持喪失に起因すると思われる鋏状咬合と過蓋咬合を認めた.スプリント型の治療用義歯を装着し咬合挙上を行い適切な咬合を付与した後に,最終補綴治療を行った.

考察:治療用義歯により補綴空隙の確保と顎位への適応を判断した後に,キャップクラスプにより強固な咬合支持を確保し,鋏状咬合と強い咬合力に対応したことが良好な治療結果につながった.

結論:キャップクラスプを設置した義歯により,積極的な歯冠補綴治療を伴わずに可撤性の部分床義歯で咬合平面の修正と咬合支持を確保することができた.

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