2024 年 16 巻 1 号 p. 139-142
症例の概要:患者は29歳の女性.主訴は外傷による歯の脱落,破折に伴う審美不良と咀嚼困難であった.インプラント治療と固定性補綴装置による治療を行った.上顎前歯欠損部顎堤が外傷により口蓋側に変位しており,インプラント上部構造の補綴学的工夫により審美性と咀嚼機能を改善した.
考察:インプラント上部構造のカントゥア調整によるリップサポート回復,歯肉色陶材の使用,アバットメントや上部構造固定様式の適切な選択,さらにインプラントと天然歯への適切な咬合の付与により,良好な経過と患者の高い満足を得た.
結論:顎堤変位等によりインプラント埋入位置が適切ではない症例においては,上部構造の補綴学的工夫が重要である.