2024 年 16 巻 4 号 p. 393-399
我が国では人口減少,少子超高齢社会が到来した.健康寿命は生命寿命より約10年間短く,この差を短縮させることがQOL(生活の質)改善,医療費削減に貢献する.加齢により身体,認知機能は低下し,サルコペニア,フレイルに陥りやすいが,筋力は年齢に関係なく鍛えることにより上がる.適切な生活習慣(食事,運動,睡眠)を身につけることが,フレイル予防,筋量,筋力の維持に貢献する.小児期からよくかむ習慣をつけ口腔機能不全,咬合不全を是正し,壮年期には生活習慣病予防,是正,適切な補綴,高齢期にはフレイル,認知症の予防,維持などライフステージに合わせた歯科医療を実践することにより「美味しい」を守る健康長寿に貢献することを期待する.