抄録
目的:エレクトロフォーミング法によるコーピングは高い適合精度および生体親和性を有し,またロストワックス法を応用したオリンパスキャスタブルセラミックス(以下,OCCと略記)は生体親和性および歯質に近い物性を有している.両者のこれらの利点を生かした歯冠修復法の開発に先立ち,ゴールドフレームとOCCの接合力の向上についてサンドブラスト処理による機械的嵌合力に着目し,ゴールドエレクトロフォーミング法で製作したコーピングを用いて,その厚さによるOCCの補強効果への影響について検討した.
方法:接合力を評価するため,エレクトロフォーミング法によるゴールドフレームの厚さ(150μm,250μm,350μm)を変えた3条件とOCC単一の試料を各6個製作し,3点曲げ試験とそれらの界面と剥離面の観察および分析を行った.
結果:3点曲げ試験の測定結果から,厚さ250μmのゴールドフレームに表面処理を行った試料の平均曲げ強さのみが有意に高い値を示した.界面と剥離面の観察および分析から,ゴールドフレーム表面が表面処理により粗造になり,被着面積を増大し,機械的嵌合力が作用しやすい形態になることでゴールドフレームとOCCの接合力が増強された.また,試料の界面と剥離面の観察および分析から,化学的結合はみられなかった.
結論:接合には化学的結合は期待できず,機械的な表面処理が不可欠であり,厚さ250μmのゴールドフレームにサンドブラスト処理を行うことによるOCCの補強の有効性が示唆された.