日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
咬合挙上を応用して咬合平面の不正を改善した症例
鳥巣 哲朗
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キーワード: 咬合挙上, 咬合高径
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2010 年 2 巻 3 号 p. 201-204

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抄録
症例の概要:初診時 60歳女性.下顎義歯臼歯部低位咬合による咀嚼障害と審美障害を主訴して来院.咬合平面の不正と過蓋咬合が認められたため,咬合挙上を行い主訴の改善および咬合平面の修正を図った.
考察:初診時に使用していた下顎義歯および上下顎のプロビジョナルレストレーションを利用して複数回に分けて咬合挙上と咬合平面の修正を行った.その結果,咀嚼筋痛や咬合過高感等の違和感を生じることなく咬合平面の修正および過蓋咬合の是正が達成できた.
結論:咬合挙上を複数回に分割し,安静空隙前後での挙上を十分な間隔を設けて繰り返すことにより,咀嚼系に不快症状を生じることなく咬合挙上を達成できることが示唆された.
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© 2010 社団法人日本補綴歯科学会
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