日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
すれ違い咬合による咀嚼障害をオーバーデンチャーにて治療した1症例
佐藤 奈保子
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2015 年 7 巻 3 号 p. 270-273

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抄録
症例の概要:患者は64歳女性.上顎臼歯部辺縁歯肉の炎症性疼痛と下顎義歯不適合よる咀嚼障害を主訴に来院した.上顎残存歯補綴装置のマージン部不適合と,中等度慢性歯周炎による水平的骨吸収のため,歯冠歯根比の減少が認められた.歯冠歯根比の改善と口腔清掃状態の向上を図るため,治療義歯を装着した.将来的に咬合関係に影響を与えにくい設計を考慮し,最終補綴として磁性アタッチメントオーバーデンチャーを選択した.
考察:咬合力の分散と歯冠歯根比の改善により,機能時における義歯の安定が図れたものと考える.
結論:すれ違い咬合の治療に磁性アタッチメントオーバーデンチャーを適用し,長期的に良好な経過が得られた.
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© 2015 社団法人日本補綴歯科学会
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