抄録
症例の概要:54歳男性.咀嚼困難を主訴に来院.悪習癖による咬耗を主要因とする咬合高径の低下と審美障害に対し,適切な咬合をプロビジョナル・レストレーションにより設定し,ゴシックアーチ描記法による下顎位の評価に則して,14カ月にわたり咬合調整を行い,機能および審美性を回復した最終補綴装置を装着し,術後経過良好である.
考察:長期にわたる咬合の治療と顎運動検査による適切な下顎位の評価が有効なことを示し,妥当性のある新規咬合位の設定に繋がったと考える.
結論:咬耗による不正咬合に対し,適切な咬合位の設定,咬合の検査は,最終補綴装置による機能・審美的障害の改善,ならびに,長期的な予後を確保する上で有効である.