日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 1B-a4
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口頭発表
小麦粉発酵食品中の微生物酵素を用いたパン作製
*堀 光代長野 宏子
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キーワード: パン, 小麦粉, 微生物, 酵素
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抄録

【目的】小麦アレルギーは症状が改善されにくい傾向があり深刻な社会問題となっている。小麦粉発酵食品中の微生物が産生する酵素作用の探索を続ける中でアレルゲンとなるたんぱく質を低アレルゲン化することを見出してきた。この作用に着目し、食由来酵素を添加したパン作製を試み、その製パン性とたんぱく質の挙動を検討した。
【方法】(1)使用する小麦粉は、外国産小麦粉と岐阜県内小麦粉の配合割合を比較し、パン生地はホームベーカリーにて一次発酵後、分割、二次発酵を経て180℃15分焼成した。(2)製法は、ストレート法と中種法を用い製パン性を比較した。パンの体積は菜種法、パンおよび小麦粉の色は色差計にて測定した。(3)パンは凍結乾燥した試料をたんぱく質抽出後、調整しSDS電気泳動および小麦アレルギー患者血清による抗原抗体反応を行った。
【結果】(1)外国産小麦粉:県内産小麦粉は2:1の配合割合とした。(2)製法による比較では、食由来酵素添加の有無にかかわらず、ストレート法に比較し中種法での作製パンが比容積の結果が良好であった。(3)SDS電気泳動では、食由来酵素添加パンにたんぱく質の分解が見られた。抗原抗体反応では、新たな反応を起こしたバンドや消失したバンドが見られた。

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