日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 1E-a3
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口頭発表
テンペの発酵時間にともなう色調の変化と調理への応用について
*新宅 賀洋野崎 信行太田 美穂
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キーワード: テンペ, 発酵食品, 官能検査
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抄録

【目的】テンペ菌株数種を用いてテンペを作成したところ、発酵時間と共にテンペが硬くなることはすでに報告した。今回、テンペの出来あがりの色を測定し、硬さのパラメーターとなるのかどうかを検討した。また、テンペ入り麺を作り、その機能性を生かした調理への応用について検討した。
【方法】同一条件下で発酵させたテンペについて、表面と断面の色を測色色差計で、硬さはレオメーターで測定した。原料の大豆および各菌種の発酵24時間におけるテンペの一般成分とビタミンB群について分析した。その栄養特性を生かすため、凍結乾燥したテンペの粉末を添加した麺を作り、色、食感、食べやすさなどについてのアンケート調査、官能検査を実施した。
【結果】測色色差計で測定したテンペは、発酵時間が長いほど、テンペ断面は明度あまり変化がなかったが、赤みや黄色みが強くなった。菌種による色の違いはほとんど見られなかった。テンペの硬さについては、発酵時間が長いほど硬くなるので、テンペの色調はテンペを作る際の一つの目安になると考えられた。各菌種とも、発酵時間によりビタミンB2は2から6倍、ナイアシンは5から15倍、葉酸は2から4倍に増加していたので、ビタミンB群の供給源として有用と考えられた。それを生かすために、粉末テンペの配合を変えた麺を数種類作り、その色や硬さを測定した。同時に、見た目や食感についてのアンケート調査、官能検査を実施し、テンペの機能性を生かした調理について考察した。

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© 2006日本調理科学会
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