日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 2E-a9
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口頭発表
新甘味料アセスルファムKの使用条件とクッキーの性状
*石井 克枝織井 いづみ
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抄録

【目的】
アセスルファムカリウム(アセスルファムK)は、わが国では2000年に認可された新甘味料である。砂糖の200倍の甘味度を有し、低カロリーで、熱や酸に強く安定であり、風味増強剤としての機能もあるとされ、最近では、他の甘味料と併用され、すっきりとした甘さと評され需要を得ている。そこでクッキーにアセスルファムKを利用する際の諸条件とクッキーの性状を明らかにすることを目的とした。
【方法】
試料:小麦粉、バター、卵、砂糖を使用して作成したクッキーを基準として、アセスルファムK(サネット:武田キリン食品KK)を砂糖に代えて使用したクッキーと比較し評点法による官能検査を行った。評価項目は色、風味、甘味、苦味、テクスチャー、総合評価とした。また、小麦粉の代替としてコーンスターチを用いた。さらに、卵使用と甘味の関係については全卵使用を基準とし、卵黄のみ、卵白のみ、卵白(pH5)のクッキーを比較した。卵白のpH調整にはレモンを用いた。
【結果】
砂糖に代えてアセスルファムKを甘味度200として使用すると甘味の少ない苦味のあるクッキーとなった。苦味発現のため、アセスルファムKの使用量は全質量の0.1%が使用限度であり、甘味を砂糖と同等にするには砂糖の50%置換が最大量であった。アセスルファムK使用すると、小麦粉のグルテンが形成されクッキーのショートネスが減少した。小麦粉に代えてコーンスターチを20%使用するとテクスチャーが改善された。アセスルファムKは特に卵白のみのクッキーで甘味減少が顕著であった。卵白にレモン汁を加えてpH5に調整したクッキーでは甘味が減少せず、卵による甘味減少は、卵白のアルカリ性によるものと考えられた

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