日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-2
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ポスター発表
炊飯方法の異なる玄米飯(ひのひかり、ミルキークイーン)の物性比較
*治部 祐里寺本 あい安川 景子佐々木 敦子渕上 倫子
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抄録

【目的】玄米は果皮、種皮、糊粉層が残っているため、吸水率が悪く、飯は硬くボソボソ感があり、食味がよくない。そこで本研究では、米の品種や炊飯器具、炊飯時の加水量を変えて玄米を炊飯し、炊飯後の飯の物性測定、官能評価を行った。それらを比較して、玄米をおいしく炊く条件を検討した。
【方法】岡山県産「ひのひかり」と福島県産「ミルキークイーン」を使用した。吸水率、炊飯中の温度測定、生米・飯の水分含量、米粒・飯粒のサイズ測定(長さ:幅)、生米・米飯の色を測定した。炊飯後の飯を用いてクリープメータ(山電製)でテクスチャー解析を行った。また、米飯の官能評価を行った。すなわち、1 炊飯器具と米の品種の違い 2 炊飯器具と加水量の違いを5点評価法で52から53人のパネラーで評価した。
【結果】炊飯時の加水量を多くすると、炊きあがった飯は軟らかくなり、玄米特有のかたさ、ボソボソ感を軽減することができた。しかし、多くしすぎると水っぽくなる、米のもつ旨味が感じられなくなるなど、米のおいしさを損ねることがわかった。炊飯器具については、圧力鍋で炊飯すると一番粘りのあるやわらかい飯になり、土鍋で炊飯した飯はややかたく水分の少ない炊きあがりになった。真空保温調理器(シャトルシェフ)を用いての炊飯は省エネルギーで炊飯できるという利点があるが、おいしさの面ではやや劣っていた。電気炊飯器には玄米炊きコースがあり、官能評価の結果も高かったことから、玄米飯は電気炊飯器でも十分においしく炊飯できることがわかった。また、ミルキークイーンは低アミロース米のため、ひのひかりに比べてやわらかく、粘りが多く、圧力鍋で炊くと2時間室温放置後も食味が下がりにくかった。

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© 2006日本調理科学会
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