日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-6
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ポスター発表
凍みこんにゃくを添加した食パンのカルシウム量と嗜好性
*平山 久美井坂 尚美佐藤 友美渡辺 敦子
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抄録

【目的】茨城県北部の大子町では、こんにゃくを凍結乾燥させた「凍みこんにゃく」が作られている。平成16年度日本調理科学会で発表したように、その製造工程に高濃度の石灰液に浸漬する工程があり、SEMの画像でカルシウム結晶が付着している様子が観察された。そこで、「凍みこんにゃく」の商品化の段階で、周囲を切り落としたものや、曲がったり欠けたりして商品にならないものを粉砕して食パンを調製し、利用の拡大を図ることを目的に検討をはじめた。本研究では、凍みこんにゃくを添加した食パンに関して、カルシウム量の測定と、嗜好性について検討を行った。
【方法】添加する凍みこんにゃくは小麦粉の5%とし、水で戻したのちに水分を十分に絞ってから粉砕し、粉に混ぜ合わせて食パンを調製した。食パンのカルシウムの定量は、原子吸光法で測定した。嗜好性については、シェッフェの一対比較法により評価した。
【結果】凍みこんにゃくを添加した食パンと添加しない食パンを調製した。膨化に関しては、どちらも同じ程度であった。こんにゃくの10倍のカルシウムを含む凍みこんにゃくを添加した食パンのカルシウム量の方が多くなった。また、嗜好性については、添加しない食パンと凍みこんにゃくを添加した食パンを比較した結果、しっとりしていて、好ましいと判断された。以上のことから、凍みこんにゃくを添加した食パンが食用に適していることが明らかとなった。

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© 2006日本調理科学会
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