日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-11
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ポスター発表
岡山県、中国・四国、全国の魚介類の摂食状況の比較
*渕上 倫子寺本 あい治部 祐里安川 景子佐々木 敦子
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抄録

【目的】岡山県内でよく食されている14種類の魚介類が、全国、中国・四国地方でどのように食されているかの比較調査を行った。
【方法】日本調理科学会特別研究で行われた全国データをもとに、全国(3431世帯)、中国・四国(931世帯)および岡山県(380世帯)の三つに分類し集計した。岡山県の特徴をより明確に捉えるため、全国、中国・四国のデータには岡山県のデータを含めなかった。
【結果】サワラ料理の摂食状況(料理数/世帯数)は全国45%、中四60%、岡山157%と岡山でよく食べられていることがわかった。全国的には焼き物として食すことが多い(約70%)が岡山では38%と少なく、生物(22%)、煮物(20%)が多かった。以前サワラは瀬戸内海沿岸で多く獲れ、新鮮なものがすぐに手に入る環境にあったためと考えられる。シタビラメ(ゲタ)も岡山でよく食べられ(全国16%、中四22%、岡山74%)、全国的にはムニエルなどの焼き物が多いのに対し、岡山では煮物が多かった。ママカリは全国的には生物(酢漬け)が多いが、岡山では焼き物特に郷土料理の素焼きの三杯酢が多かった。イカナゴの摂食状況は全国23%、中四34%、岡山72%で、全国的に煮物(佃煮)が多いが、岡山では茹で物(酢の物)も多かった。イイダコの摂食状況は全国5%、中四14%、岡山58%で、全国的にはおでんの具にしているのに対し、岡山では煮付けが大半であった。アミの摂食状況は全国6%、中四3%、岡山58%で、全国的には佃煮が多いが、岡山では煮物が多く郷土料理のアミ大根が作られていると考えられる。シャコの摂食状況は全国17%、中四26%、岡山57%で、茹で物が岡山(83%)で特に多かった。

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© 2006日本調理科学会
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