日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-12
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ポスター発表
岡山県における魚介類の摂食状況の南部・北部の地域差
*安川 景子治部 祐里寺本 あい佐々木 敦子渕上 倫子
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抄録

【目的】岡山県の南部と北部での魚介類摂取についての食習慣の違いについて調べるため、地域差が予想される魚種について、比較分析を行った。
【方法】日本調理科学会特別研究で行われた全国データをもとに、岡山県(380世帯)を南部(315世帯)と北部(65世帯)に分類して集計を行った。
【結果】サワラ料理の摂食状況(料理数/世帯数)は南部165%、北部108%で、南部でよく食べられており、生物(南23%、北19%)、煮物(南19%、北9%)、飯物(南14%、北6%)の割合が南部で多かった。南部では刺身や寿司のネタとして生で食べる割合が多く、北部では焼いたり揚げたり火を通す調理法が多かった。サバは北部でよく食べられ(南169%、北220%)、飯物(南7%、北12%)が北部で多かった。南部ではばら寿司(ちらし寿司)が多く食べられているのに対し(南50%、北31%)、北部ではサバ寿司の割合が多かった(南5%、北18%)。ばら寿司は、瀬戸内海で獲れる新鮮な海の幸(アナゴ26%、エビ25%、サワラ19%、モガイ13%等)を使って作る岡山県の代表的な郷土料理であり、サバ寿司は、山陰の日本海側で獲れたサバ(塩サバ)を使った、北部の秋祭りに欠かせない料理であるためと思われる。また、ママカリの摂食状況は南部で40%、北部は20%で、北部では酢漬けで食べることが多かった。瀬戸内海から遠く離れるために保存が効くよう加工処理されたものが多く出回っているのではないかと考えられる。イイダコの摂食状況は南部で64%、北部は8%で、南部でよく食べられていることがわかった。アミ大根の喫食割合も南部で多いことがわかった(南35%、北8%)。

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© 2006日本調理科学会
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