日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-13
会議情報

ポスター発表
福島県浜通り地方の魚料理の特徴について(2)
-遊離アミノ酸組成および脂肪酸組成-
*石川 雅子阿部 優子会田 久仁子半澤 明子石村 由美子角野 猛
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

目的 福島県浜通り地方は太平洋に面し、漁港に水揚げされる魚種は豊富で、その立地に則した様々な調理法がある。先に、本地域の魚の調理について報告したが、今回、それらの調理のうち、サンマ、メヒカリおよびアンコウの調理による遊離アミノ酸組成、脂肪酸組成等について検討したので報告する。
方法 サンマ、メヒカリおよびアンコウの三種の生の状態と調理によるその変動について検討した。サンマはサンマご飯とサンマポウポウ焼き、メヒカリは唐揚げ、アンコウは煮物とアンコウ鍋である。なお、調理は前回の調査において明らかにされた調理法によって行った。遊離アミノ酸組成はアミノ酸自動分析計(日立製、L-8500)、脂肪酸はガスクロマトグラフィー(日立製、G-3500)によってそれぞれ分析した。
結果 1.アンコウ:アンコウの身(生)の遊離アミノ酸総量は、223.2mg/100gであり、主な遊離アミノ酸組成はタウリン、グリシン、リジン、グルタミン酸であり、これらで総量の67.5%を占めた。とも和え風の煮物では総量は430.1mg/100gと増加し、鍋料理ではタウリン、グリシンが減少し、グルタミン酸が増加した。また、主な脂肪酸組成はC16:0、C18:1、C22:6であった。料理により、C16:0やC22:6は減少し、C18:2が増加した。2.サンマ:サンマご飯では遊離アミノ酸総量は253.4mg/100mgであり、主な遊離アミノ酸はヒスチジン、グルタミン酸、タウリンであり、これらで総量の50.3%を占めた。サンマご飯の脂肪酸組成はC14:0、C22:1が多く、C18:0が少なかった。ポウポウ焼きは遊離アミノ酸総量が増加し、主な遊離アミノ酸はタウリンとヒスチジンであり、これらで50.5%を占めた。3.メヒカリ:メヒカリの遊離アミノ酸総量は535.6mg/100mgであり、主なものはタウリン、グルタミン酸、アラニン、リジンであった。脂肪酸組成はC18:1が47.0%を占め、特徴的であった。

著者関連情報
© 2006日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top