日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-25
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ポスター発表
ショウガ及びニンニク処理した国産ホルスタインステーキのおいしさについて
*堀江 かほり飯田 文子浅野 雅子大越 ひろ
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抄録

目的近年の健康志向もあり、ヘルシーな赤身肉のおいしさにも注目が集まっている。そこで、赤身の牛肉として国産ホルスタインを用い、肉調理にしばしば利用されるショウガ(以下Gi)及びニンニク(以下Ga)で処理したステーキのおいしさについて、官能評価を軸に総合的に考察した。
方法国産ホルスタイン牛肉ステーキ(約2cm厚)に肉重量の3,5,10,20%の搾り汁を各々1時間作用させ、220℃のホットプレートで内部温度が60℃になるまで焼成した。2×2×2(cm3)に成形したものを官能評価および、破断強度、うま味成分分析、電子顕微鏡観察等に用いた。官能評価は外観、テクスチャー、風味、味などの11項目について、訓練パネルによるSD法客観的評価を行った。肉表面の色はハンディー色差計を用いて測定した。破断強度解析は山電製レオナーを用い、カッター刃による定速圧縮破断を行った。うま味成分としてHPLCによるIMP及びアミノ酸分析を行い、電子顕微鏡は前処理を行い、走査型電子顕微鏡により観察した。水分及びpH測定も行い、これら機器測定結果を官能評価結果と合わせて考察した。
結果官能評価結果より、Ga処理肉は無処理肉よりもやわらかい傾向が見られ、多汁性、牛肉らしい風味、うま味の項目で有意に評価が高かった。一方、Gi処理はやわらかく噛み切りやすいが、牛肉の風味を損ね、水っぽく、うま味の足りない肉と評価された。破断強度解析で得られたみかけの破断応力は官能評価と対応した。IMPは処理間で変化はなく、アミノ酸ではGaで特徴的な変化が観察された。肉色はGaで顕著に変化し、処理間で違った特徴が見られた。

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© 2006日本調理科学会
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