日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-26
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ポスター発表
高齢者による電子レンジ利用の調理法
*米田 寿子泉 智子
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キーワード: 高齢者, 電子レンジ, 調理法
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抄録

[目的] 高齢者の健康維持には適切な食生活が不可欠である。しかし、高齢に伴い、食事作りが面倒になったり、毎日同じものを食べたり、欠食をしたりと低栄養状態に陥りやすい。一方、手や体の機能低下を生じ、注意力も散漫となり、安全に食事作りが出来にくくなる。そこで、食材の一部に加工食品を取り入れ、加熱器具として電子レンジを利用して、高齢者でも簡単に作れる調理法の検討を行った。
[方法] 1.「かぼちゃの煮物」「さばの味噌煮」「茶碗蒸し」「ほうれん草の白和え」の4種類を、通常の調理法と電子レンジによる調理法で作り、準備から盛り付けまでの総時間を測定した。 2.2つの調理法による料理について、女子学生11名をパネルとし「外観」「味」「テクスチャー」「総合評価」の項目で、5段階評点法による官能検査を行った。3.73歳男性1名は「かぼちゃの煮物」「さばの味噌煮」の2種類、74歳女性1名は4種類の料理を電子レンジ利用による調理を行った。 調理準備から盛り付け終了までの時間を測定した。 4.男女の高齢者に、聞き取り法により電子レンジ利用の調理法の評価と料理の官能評価を行った。
[結果] 1.電子レンジ利用の調理法は、通常の調理法より1/2_から_1/3時間に短縮された。 高齢者男性>高齢者女性>女子学生の順で、料理作りの総時間が低下した。 2.2つの調理法による、料理の官能評価は、各項目ともほとんど差は認められなかった。 3.男女の高齢者による調理法の評価は、「調理が簡単であった」「今後も電子レンジを利用して料理を作りたい」と回答した。料理の官能評価は各項目とも高い評価であった。

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