日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: P-27
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ポスター発表
炊き込み飯における具の添加方法の検討
*濱田 陽子瀬尾 弘子高橋 恭子香西 みどり畑江 敬子
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抄録


【目的】炊き込み飯は、米に水と調味料と具を加えて炊く。具は生のままあるいは下煮をして米にのせるのが一般的である。加熱により結着してほぐれにくいひき肉などは予め米と混ぜてから炊いた方が均一な状態にしやすいが、芯のある飯になりやすい。そこで本研究ではその原因を調べ、飯と具が均一に混ざった炊き込み飯を調製する条件を検討した。
【方法】試料として、平成16年新潟県産コシヒカリ、鶏ももひき肉(小売店にて購入)を使用した。炊き込み飯は米重量に対しひき肉50%、しょうゆ・酒各10%、加水比1.5とした。洗米、30分浸水後、肉の加熱の有無(a:生、b:そぼろ状に加熱)、肉の混合方法(c:米とよく混ぜる、d:米の上にのせる)、炊飯器の容量に対する米の容量(e:2/3、f:1/2)、炊飯器の種類(g:マイコン付きジャー炊飯器、h:IHジャー炊飯器、i:自動炊飯器)の異なる7種の飯を調製した。飯の官能評価(-2から+2の5段階評点法)および物性測定(テクスチャーアナライザー)を行った。加熱中、炊飯釜中心部の表面および底面の温度を測定した。
【結果】官能評価の「総合的な好ましさ」の評点は、生肉を米と混ぜてマイコンジャー炊飯器で炊いた飯が最も低く(-1.7)、加熱肉を米と混ぜてマイコンジャー炊飯器で炊いた飯が最も高かった(+1.5)。この理由は、前者は釜内が60℃に達した後底面の温度上昇が遅れ釜内の温度分布が不均一となることで、芯のある硬く粘りの少ない飯になることがわかった。炊飯する量を1/2に減少させマイコンジャーで炊飯すると、生肉を米と混ぜても温度ムラが小さくなるため評価は向上した。

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