日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 1C-a8
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口頭発表
有機栽培がホウレンソウの成分等に及ぼす影響
*小河 拓也藤澤 満彦永井 耕介
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抄録

[目的] 近年、農業をとりまく環境への影響が大きな問題となり、環境創造型農業が全国各地で推進されるようになってきている。有機農業は本来環境に配慮した農法であるが、栽培方法が確立されたとは言い難くその品質においては不明な点が多い。そこで、有機栽培されたホウレンソウの品質を調査した。
[方法] 県下の有機栽培認定2ほ場においてハウス栽培ホウレンソウを5月から11月まで同一ほ場で年5作(収穫日:1作目5/20、2作目6/24、3作目8/10、4作目9/8 5作目11/30)慣行法で栽培し、各作期における収穫適期に出荷基準内のものを収穫した。ホウレンソウは午前中に収穫し、収穫当日に分析を行った。分析項目は収量、外観、水分、糖(果糖、ブドウ糖およびショ糖)、硝酸態窒素、ビタミンCを調査した。 
[結果] 水分は90%程度で作期による差はみられなかった。糖は果糖およびブドウ糖の含有率が高くショ糖は低かった。1作目、5作目の果糖、ブドウ糖含有率は高く、3,4作目の果糖、ブドウ糖糖含有率は低かった。4作目ではショ糖はほとんど確認されなかった。硝酸態窒素は1作目が2mg/100g以下で最も低かった。2作目以降含有率が上昇し、4作目で最も高くなったが、5作目では減少した。ビタミンCは1作目が50mg/100g以上で最も高く2、3作目は20mg/100g以下で最も低く、4、5作目で増加し、栽培時期によって成分に大きな差があることが明らかになった。

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