日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a6
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口頭発表
フランス人の日常食についての実態調査
*谷澤 容子中谷 圭子畑江 敬子
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抄録

<目的> 演者らは、10年前にフランス人の日常食の実態調査を行い、伝統的な食事様式が残っていることを報告した1)。食を取り巻く環境が世界的規模で目まぐるしく変化している中で、国を挙げて食教育を行っているフランスでは現在の日常食はどうなっているのかを明らかにし、10年前の調査と比較した。
<方法> アルザスストラスブール市近郊に住むストラスブール大学関係者を主とするフランス人107人に調査用紙を配布し、10年前と同じ秋から冬にかけてとなる2003年11月から2004年3月までの連続した平日3日間について朝食、昼食、夕食の食事場所と献立および材料を記入させ郵便で回収し、集計した。
<結果> 朝食、昼食、夕食のいずれも欠食または未記入が5%であった。食事の摂取場所は朝食、夕食それぞれ90%、85%が自宅であった。昼食は、公務員食堂等が最も多く43%で、自宅は35%と少なかった。食事内容は、朝食にパンの出現が60%と10年前よりも減少した。昼食の肉料理(肉を主材料とする料理)は、前回同様の出現回数であったもののその種類は、鶏肉の出現が増え、牛肉、豚生肉の出現が減少傾向であった。もともと少なかった魚介料理は出現回数が微増していた。前回同様、夕食はハム・ソーセージが最も多く摂取されていた。昼食、夕食共、パンの出現回数は20%前後と少なく、主としてジャガイモや麺類で、デンプン源を満たしていた。サンドイッチ、ピザ、パスタ料理、アフリカ・アラブ系のクスクス、タージン、ドナーカバブなどの出現増が見られ、食のボーダレス化が伺えた。1)谷澤ら(2002)、日本調理科学会誌、35(4) 375-381

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© 2006日本調理科学会
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