日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a7
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口頭発表
食事教育に関する調査研究
*石川 陽子長島 万弓福田 靖子
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キーワード: 食事教育, 食情報, 孤食
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抄録


【目的】人間の食の営みである食事教育は人間の健康を支える重要な教育である。特に成長期である乳幼児・学童期は食習慣を形成する時期である。H16年厚労省の「食を通じた子どもの健全育成(いわゆる「食育」の視点から)のあり方に関する検討会」には、発育・発達過程に応じて育てたい「食べる力」について、具体的にどのように育んでいくのか過程が示され、また「楽しく食べることは、生活の質(QOL)の向上につながるものであり、身体的、精神的、社会的健康につながる」と提言された。本研究では今日の食情報の傾向の把握と過去の食体験が人間生活の柱としてどのような役割を担っているかを明らかにするために調査による研究を行った。
【方法】食情報の「情報源」、そこから「得ている情報」と「よく利用する情報」についての質問紙調査。「深く印象に残っている食事場面(いつ頃、どこで、誰と、どのような場所で、どのような気持ちで食べたか)」について質問紙調査(女子大学生(87名)及び保育園児保護者(199名)対象)を行った。解析にはExcell統計及びSPSSを用いた。
【結果】食情報の「情報源」はテレビが女子大生(32%)保護者(30%)と一番多く、その他に雑誌一般(18%)、家族、友人・知人、新聞が多かった。「得ている情報」は、全般的に “栄養学的な面(50%)”と “嗜好的な面(17%)”が多く、新聞からは“食品の安全性(43%)”を得ていることが特徴的であった。共食(みんなで食べる)(7%)孤食(個食)(2%)であった。「よく利用する情報」も「得ている情報」と同様の傾向であった。「記憶に残る食事場面」では、幼児・学童期の記憶が多く、この時期の食体験が後の人間性の発達に影響を与えると考えられるが、今日食事教育で重要な共食や孤食に関する食情報(視点)は情報源の種類にかかわらず少ないと考えられた。

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© 2006日本調理科学会
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