日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a8
会議情報

口頭発表
アンケート調査からみた揚げ物のおいしさにかかわる要素
*村上 恵安藤 真美伊藤 知子井上 吉世我如古 菜月久保 加織小林 敦子武智 多与理露口 小百合中原 満子中平 真由巳林 淑美原 知子松井 正枝水野 千恵明神 千穂湯川 夏子和田 珠子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【目的】揚げる・炒める分科会ではフライ油の使用限界を揚げ油の風味点数により官能的に判定する方法を確立し、揚げ種や揚げ方法の違いが油の劣化に及ぼす影響を明らかにしてきた。しかし、近年では健康志向によって、機能性を有する油や健康的でおいしい揚げ物を作ることに多くの消費者の関心が寄せられている。そこで、本研究では新たに揚げ物に着目した。家庭でおいしい揚げ物を作るための方法を提案するため、まず揚げ物のおいしさにかかわる要素を明らかにすることを目的として、アンケート調査を行った。
【方法】調査時期:2005年12月_から_2006年1月、調査対象:近畿地区における18歳以上の学生を含む男女、調査法:直接記入法、回収率 86.9%、有効回答数 1482部(内、学生 1062部)
【結果】「おいしい揚げ物とはどういう揚げ物か」に関して、食品のおいしさにかかわる要素である品温、テクスチャー、香りなどカテゴリーごとにいくつかの選択肢を用意し、あてはまるものを選択する形式により回答をもとめた。その結果、「揚げたてである」が最も多く、次いで「サクッとしている」、「油っぽくない」であった。料理別でみると、「鶏のから揚げ」のみ、「揚げ種がジューシー」であることが「揚げたてである」に次いで重視されていた。逆に「おいしくない揚げ物」については、「冷めている」、「油がべとべと」と回答したものが多かったが、学生以外の男女では、「べちゃっとしている」、「油がくさい(古い油を使っている。)」と回答した者が多かった。以上の結果より、揚げ物のおいしさは、味や香りよりも、品温やテクスチャーが重要視されていることが明らかとなった。

著者関連情報
© 2006日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top