日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 2A-a9
会議情報

口頭発表
視覚要因がおいしさに及ぼす影響
食器の材質と様式について
*豊満 美峰子小宮 麻衣良小川 久惠松本 仲子
著者情報
キーワード: 視覚的要因, 食器, 材質, 様式
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

(目的)外観はおいしさに係わる重要な要因であるが、その一つとして食器の影響が考えられる。どのような食器を選択するかによって、おいしそうかどうかの印象は大きく変わると予想される。本研究では、食器の材質および和・洋の様式を変えて食物を盛り付けたとき、それらがおいしそうに見えるか否かの外観の評価にいかに影響するかを検討した。
(方法)食器に食物を盛り付けてパネルに呈示し、おいしそうに見える程度を7段階の評点法によって評価した。材質からの検討では、陶器製・木製・紙製・ガラス製・プラスティック製・ステンレス製の6種類の材質を選び、盛り付ける食物は和・洋および折衷菓子とした。和・洋菓子については両菓子に類似した色彩の菓子を選び、折衷的な菓子としてカステラを加えた。和・洋の様式からの検討では、食器は和・洋の様式の器とし、食物としては和・洋の菓子5種類、飲料4種類、料理7種類を選んだ。
(結果)材質からの検討では、食器の材質はおいしそうに見えることに影響を及ぼす結果が得られ、例えばすあまは木製食器が紙製・ガラス製・プラスティック製・ステンレス製に比べて0.1%危険率で有意においしそうに見えると評価された。和・洋の様式からの検討では、紅茶・コーヒーはティーカップが湯のみより0.1%危険率で有意においしそうに見えると評価されるなど、和の菓子・飲料・料理は和食器、洋の菓子・飲料・料理は洋食器に盛り付けたものの評価が高かった。パネルは20歳代の若年層であるが、材質および様式のいずれにおいても、食器と食品の和・洋が一致する組合せを高く評価しており、明らかに、見た目の美しさよりは文化的に一致する感覚で外観を評価する傾向がみられた。

著者関連情報
© 2006日本調理科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top