日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 1A-a6
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口頭発表
南の島沖縄の魚料理(2)
- 使用した魚介類の種類・調理法の世代間比較 -
*田原 美和東盛 キヨ子金城 須美子
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キーワード: 沖縄, 魚介類, 調理法, 世代別, 食材
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抄録

【目的】前報では沖縄県那覇市在住の主婦を対象に魚介類の食習について調査し、食材の種類や調理法の地域特性について報告した。今回はその調査資料を世代別に分析し、使用する魚介類の種類や調理法を比較検討した。
【方法】先の調査資料(「調理文化の地域性と調理科学-魚介類調理-」)を基に、対象の主婦50人(20から80代)を50代以下と60代以上の2グループに分け、魚介類の種類や調理法、付け合せなどの食材の差異について分析した。また、市販されている魚介類を用いた惣菜の種類・調理形態、購入状況について実態調査を行った。
【結果】使用した魚介類は、60代以上の年齢層ではアオブダイ、クルキンマチ、アオリイカ、タカサゴ等の近海魚が多く、50代以下の年齢層ではマグロ、サバ、エビ、サンマ等の移入・輸入品の冷凍魚を多く用いる傾向がみられた。 調理法は、いずれの年齢層も刺身、空揚げや天ぷらなどの揚げ物が多く、年代による差異はないが、沖縄独特のイカ墨汁やマース煮(塩煮)は60代以上の年齢層に多く、20から30代の若い世代では少ない。市場調査の結果は、食材の購入には高齢層は値段が高くても近海魚や天然物を好み、20から30代の若年層では値段の安さを優先する傾向がみられた。市販されている魚介類惣菜の調理形態は、揚げ物、煮魚類が多く、塩焼き等の焼き物は少ない。両世代に共通するものとして、ムニエル風のバター焼きがみられた。

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© 2006日本調理科学会
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