日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 2B-p2
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口頭発表
玄米の圧力炊飯器による炊飯特性
*川原 早苗金丸 早智子丸山 悦子
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キーワード: 玄米, 圧力炊飯器, 炊飯特性
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抄録

目的 玄米は自然食嗜好など健康食として現在なお受け継がれているが、食味上から日常的に用いられてはいない。玄米飯の食味を改良するために種々の方法で玄米の炊飯方法が検討されてきている。本報は圧力を変えて玄米の炊飯を行い、玄米粒の重量、体積、粒形、糊化度および硬さや付着性を測定し、より好ましい玄米飯の炊飯に必要な圧力について検討した。
 方法 試料は滋賀県産日本晴玄米を5℃で保存したものを使用した。玄米450gを洗米後、1.7倍量脱イオン水で、2時間浸漬したのち直接式圧力電気炊飯器(M社製SR-203型改良型、1.8L炊き)を使用し、常法で炊飯を行い、通電タイマーを10分にセットし、蒸らし時間は15分とした。
 結果 釜内の圧力を増すにつれて、玄米粒の重量、体積は増大し、比重は約1.4倍までは著しく増加し、1.6倍でほぼ一定値に達した。飯粒の粒形では短径は小さく、長径と厚みは伸長した。硬さは1.4気圧までは急激に減少し、1.6から2.0気圧で、ほぼ一定となったが、付着性は圧力を増すに伴い増大し、2.0気圧では釜内の部位差がみられなくなった。玄米飯の炊飯には糊化度や形態などから1.6気圧以上が必要であることが示唆された。

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