日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 2B-p3
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口頭発表
黒米の炊飯特性と調味料の影響
*綾部 園子小島 美由紀関口 さやか香西 みどり畑江 敬子
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抄録

【目的】/黒米はぬか層に黒紫色のアントシアニン系色素を含む米であり、食物繊維、ビタミン類、無機質が豊富で、抗酸化性などの機能性を有することが知られている。黒米にはインディカ種とジャポニカ種、もち米とうるち米があるが、種々の黒米についての調理特性を比較した研究は少ない。そこで本研究では、数種の黒米を用いて炊飯特性に及ぼす黒米混合率および調味料添加の影響について検討した。
【方法】黒米の朝紫、おくのむらさき、およびNursery sticky rice、対照としてゴロピカリを用いた。ゴロピカリに黒米を0、10、30%混合した米200gに対し、しょうゆ(20.7g)、砂糖(6g)、酢(10g)、塩(3g)を添加して常法で炊飯した。対照として無添加の米飯も調製した。測定項目は、炊き上がり重量、飯の物性(テクスチャーアナライザー 集団法)、水分量(常圧乾燥法)、色(カラーリーダー)、ポリフェノール含量(Folin-Denish法)、および官能評価(7段階評点尺度法および順位法)である。
【結果】黒米混合により炊き上がり重量、水分量は減少し、飯の凝集性が低下した。飯の色は朝紫混合飯が最もL値が低く、次いでNursery sticky rice、おくのむらさきの順で、混合率が高くなるほど明度は低下した。ポリフェノール量は朝紫>おくのむらさき>Nursery sticky riceの順で、黒米の混合率が高いほど増加した。10%混合飯の官能検査の結果、総合的な好ましさにおいてNursery sticky rice≧朝紫≧おくのむらさきの順となり、Nursery sticky riceが最も好まれた。調味料添加による影響では、しょうゆ添加において硬さと付着性が増加し、L値とa値が低下しb値が上昇した。ポリフェノール量も増加したがこれはしょうゆに由来するもので飯のそのものの変化ではなかった。酢添加においては硬さが減少し付着性が増加し、L値とa値が上昇しb値が減少した。朝紫の色の変化が顕著であった。

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© 2006日本調理科学会
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