日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成18年度日本調理科学会大会
セッションID: 1B-a2
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口頭発表
手打ちうどんの物性におよぼす澱粉、活性グルテン添加の影響
*岡田 久美子市川 朝子下村 道子
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抄録

【目的】うどんの食感改良、茹で又は茹で戻し時間の短縮など様々な目的で、製麺業界では、製麺時に澱粉や活性グルテンを練り込む方法が取られている。しかし、使用する澱粉の種類や添加量により麺に与える影響が異なる。そこで、澱粉の種類や添加量、さらに活性グルテンを添加した茹でうどんの物性への影響を明らかにすることを目的とした。
【方法】中力粉(金すずらん 日清製粉)を用い、粉重量の10、20、30%をタピオカ澱粉、コーンスターチ、サゴ澱粉で代替し、活性グルテン添加の場合は3、6%とした。粉に食塩水(食塩3%+水45%)を加え、製パン機で5分間混捏後1時間ねかし、製麺機で圧延、切断後8分間茹でた麺を試料とした。物性測定では破断強度解析(山電 レオメーターRE-3305)、引張試験(不動 レオメーターNRM-2005J)を行った。また茹で加熱中の麺の重量及び形状変化について調べた。併せて市販茹で麺の保存条件を考慮し2日間冷蔵保存した茹で麺について検討した。
【結果】麺の茹で加熱中の重量変化は加えた澱粉の種類による影響は少なかったが、澱粉添加量が増すと重量変化率が高くなる傾向であった。形状は活性グルテン添加により厚さの増長率が高くなった。茹で麺の破断強度解析における荷重値はタピオカ澱粉添加麺で対照麺より低くなり、コーンスターチ添加麺は高くなる傾向であった。また活性グルテン添加により最大荷重値は高くなったが、添加量による差はほとんどなかった。引張試験における引っ張り強度の値は澱粉添加量が増すと低くなり、活性グルテン添加により値が高くなる傾向であった。茹で麺を2日間冷蔵保存すると保存前より麺の表面が硬くなり、引っ張り強度の値は高くなった。

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