日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 1P-40
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ポスタ-セッション
Monascus anka AHU9085の色素生産性
*高橋 真美森高 初惠
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キーワード: 紅麹菌, 色素, pH, 窒素源
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抄録


【目的】
 紅麹菌の生産する色素は,魚肉ハム,ソーセージ,紅豆腐,紅酒,菓子類などの食品の着色および保存料として幅広く使用されている。本研究では紅麹菌M.anka AHU9085の色素生産性の向上を目的に,培地条件としてpHおよび窒素源の組み合わせの影響を検討した。
【方法】
 培地のpHの検討については、炭素源としてスクロースおよびうるち米デンプンを用い、pH4.0~6.0における色素生産性を比較した。窒素源の検討については,ペプトン,アスパラギン酸,モノグルタミン酸,硝酸ナトリウム,硫酸アンモニウムの5種類の組み合わせにおける比較検討を行った。抽出色素は300~600nmにおける吸収スペクトルを測定し、色素の分離は高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により吸光度および吸収スペクトルを測定した。
【結果】
 培地のpHの影響を検討した結果、400nmおよび500nmの比較では、スクロースを添加した培地は、400nmおよび500nmともpH4.4が最も高い色素生産性を示したが、うるち米デンプンを添加した培地では400nmではpH4.0~6.0と広いpH範囲において高い色素生産性を示し、500nmでもpH4.0~5.5で高い色素生産性が認められた。このことから炭素源をうるち米デンプンとすることで菌体の生育pHが広範囲になることが判明した。さらに、窒素源の組み合わせを検討した結果、ペプトンとアスパラギン酸を組み合わせることで高い色素生産性が認められた。HPLC分析の結果,4つのピークが確認され,P1~P4画分の吸収スペクトルから各色素を推察した。

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© 2008日本調理科学会
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