日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 2D-9
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口頭発表
牛乳および豆乳を用いた高齢者向きプディングの調製
*五月女 祐一生方 恵梨子西念 幸江峯木 真知子
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抄録


【目的】
 近年、高齢者のPEM(低栄養)が問題視され、高齢者に向いた高エネルギー・高タンパク質・低脂肪で、咀嚼・嚥下がしやすく、しかもおいしい食品の開発が望まれている。プティングは誰からも好まれ、高タンパク質食品で、やわらかいテクスチャーをもつ。牛乳や豆乳を用いて脂肪の種類と脂肪量を検討し、開発・調製を試みた。
【方法】
 プティングは、鶏卵〔全卵・卵黄:白色レグホーン種〕、牛乳〔無脂肪・低脂肪・普通牛乳〕、豆乳〔無調整・調製:_(株)_紀文〕、上白糖で調製した。分量は鶏卵1に対し、牛乳・豆乳(3倍、5倍)、上白糖は卵液の15%(0.6、0.9)とした。加熱はスチームコンベクションオーブン〔フジマックFSCC101〕で行い、予備実験の結果より牛乳90℃、10分、豆乳110℃、10分とした。これらの配合を検討し、pH、テクスチャー、色を測定し、組織観察、官能検査を行った。
【結果】
 3倍に調製したプティングの硬さ応力は、普通牛乳製品2.9×103Pa、低脂肪牛乳製品2.8×103Pa、無脂肪牛乳製品2.5×103Paであった。プディングの硬さ応力(y)は、脂肪含有率(x)と正の相関にあった〔y(Pa)=156x+264,r=0.53, p<0.01〕。豆乳製品の硬さ応力は無調整製品の方が調製豆乳製品よりもやわらかい傾向にあった。官能検査〔パネル数25人〕では低脂肪牛乳製品が最もなめらかで、甘いと判定されたが有意差はなく、総合的な好みでは、普通牛乳製品が好まれる傾向であった。豆乳製品では110℃、10分の加熱でよい製品が得られたが、豆乳臭さが問題であったので牛乳との混合を試みた。

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