日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成20年度日本調理科学会大会
セッションID: 2D-10
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口頭発表
介護食用ハンバーグの調製条件の検討
*綾部 園子本間 千裕
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抄録


【目的】
 食肉は良質なたんぱく質源であるが、加熱した食肉は凝固して硬くなり、咀嚼しにくいテクスチャーとなる。そこで、咀嚼・嚥下機能の低下した方の介護食に適したハンバーグを開発する目的で、副材料の種類や配合割合および加熱条件を変えて実験し、介護食に適した調製条件について検討した。
【方法】
 一括購入した牛肉・豚肉を一定量ずつ真空包装して冷凍保存し、実験当日解凍した。副材料は玉ねぎ、パン粉、卵、粉末山芋、塩、こしょうを用いた。一般的な配合の(A)を基準として、牛乳とパン粉を玉ねぎに置換したもの(B1)、玉ねぎを増量したもの(B2)、卵を卵の素に置換したもの(C2)、牛乳とパン粉を山芋に置換したもの(D1)、D1の玉ねぎを増量したもの(D2)を調製し、ホットプレートで焼成後、25℃で60分間放冷し実験に供した。また、基本材料を真空料理法で70・80・90・100℃/30・45・60分の条件で加熱後、冷却し、4℃/1日保存後、再加熱して実験に供した。測定項目は、重量変化率、厚さ、離水率、物性(テクスチャーアナライザー)、および官能評価(5段階評点法)である。
【結果】
 配合割合を変えた試料では、玉ねぎの量が多いB2とC2で重量変化率が大きく、Dの山芋入りは少なかった。厚さと保水率は玉ねぎの量の少ないA1、B1とD1で大きかった。Dの山芋入りは軟らかく、凝集性が小さかった。官能検査の結果、D1はAに比べて有意に好まれた。真空調理試料では、温度が高く、時間が長いほど重量変化率が大きくなった。離水率はAに比べて大きかった。硬さもAより小さく、90℃/45分加熱で最小であった。官能検査の結果、90℃/45分は軟らかくジューシーであると評価された。

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