抄録
【目的】喜びや楽しさをも得られる快適な調理機会設定のために調理者の心理を定量化することを目的とし、調理方法の違いによる調理者の心理測定を昨年報告した。今回はさらに調味料の形状および用途による測定を試みた。
【方法】調味料の形状による心理測定は、固形状と顆粒状のコンソメを用いたスープ調理で行い、レシピ提示後、調理終了後、試食後に測定した。用途による心理測定はうま味調味料を用い、野菜炒めにかける、おひたしにかける、鉄板焼きにつける、の3用途で調理し測定した。心理測定はSD法(7段階尺度)を用い、評価項目は、おいしさ要素、健康要素、本格感要素、絆要素、簡便要素に含まれる17~18項目とした。心理測定結果は主成分分析で解析した。パネルは各6名であった。
【結果】1)調味料形状による心理は、第一主成分「コクがある、風味豊かな、うま味がある」(寄与率33.4%)、第二主成分「じっくり煮込んだ」(寄与率19.6 %)で布置された。レシピ提示後の心理は形状による差がなかったが、調理終了後と試食後では「じっくり煮込んだ」との心理に差が見られ、顆粒状は固形状より同心理が弱かった。2) 調味料の用途による心理は、第一主成分「総合的好ましさ」(寄与率56.4%)、第二主成分「家庭的、身近な」(寄与率20.7%)で付置された。野菜炒めにかける用途とおひたしにかける用途は、「家庭的、身近、総合的に好ましい」心理にあったが、鉄板焼きにつける用途ではそのような心理が弱いことが示された。これらのことから、レシピを読み、調理し、食べるまでの調理者の経時的な心理変化や、調味料の形状や用途による調理者心理の差異を示すことができた。