抄録
【目的】スチームコンベクションオーブンには,熱風(30~300℃),スチーム(30~130℃),コンビネーション(100~300℃,蒸気量変化)の各加熱モードがあるが,モード間の差が解りにくい.そこで,湿熱状態が敏感にテクスチャーに反映される食パンと,加熱状態を凝固量としてとらえるバッター生地をモデル的に使い,7種類の典型的な加熱モードについて凝固までの消費エネルギー量,蒸気投与による圧縮破断物性の変化などの基本加熱特性を比べた.
【方法】電気スチームコンベクションオーブン(SSC-06DCNU,マルゼン製)の熱風(180℃,280℃),スチーム(100℃)およびコンビ(180℃スチーム30%,同100%,280℃同30%,同100%,)モードを用い,1) 通電時間と消費エネルギー量,2)バッター生地の凝固むら,3)完全凝固時間と消費エネルギー量,4)食パンの圧縮破断特性,5)水分,6)焦げ色(ΔE)変化を調べ,7)料理メニューとの関連づけを行なった.
【結果】1) 消費電力量(kWH/分)は,180℃熱風を1とすると280℃熱風2.7,100℃スチーム3.6,180℃コンビ(スチーム100%)4.9,280℃コンビ(同100%)5.2となった.2)バッター生地の完全凝固時間(分)は,180℃熱風4.3, 180℃コンビ(同30%)3.7,180℃コンビ(同100%)3.0,100℃スチーム2.8となり,水蒸気量を増すと凝固時間が短縮された.3) 食パンがΔE40(適度な焦げ色)に達した時間(分)は,180℃熱風33,180℃コンビ(同30%)25,180℃コンビ(同100%)20,280℃の各モードでは3~4.5であった.水蒸気を加えると,初期弾性率が低下し軟化傾向がみられたが,最大応力,総エネルギーが増加し,クラッカー性の発現が速くなる効果が顕著であった.