抄録
【目的】我が国は急速な高齢化を迎え、今後も高齢者人口は上昇すると見込まれている。そのような中で現在身体状況が良好な高齢者が要介護状態にならないような取り組み(予防)が必要であり、特に食生活は身体状況に多大な影響を与えると考えられる。そこで、健康長寿であるための1次予防として自治体、市町村では食事指導、運動、認知症予防などを行う「介護予防教室」が盛んに行われている。今回、「介護予防教室」参加者と非参加者の食生活と健康状態を比較・検討し、成果を明らかにすることを目的とした。
【方法】栃木県S市に在住する高齢者を対象とした「介護予防教室」に参加する高齢者119人に調査を依頼した。また、1地域(全77戸)の高齢者57人に調査を依頼し、その中から「介護予防教室」に参加しない高齢者28人を比較対象とした。(要介護認定者を除く。)方法は、自記式のアンケート調査とし、内容は、家族形態などの社会的要因、食物摂取頻度調査、食生活状況、健康状態や疾病などの身体状況などを調査した。
【結果】食物摂取頻度調査では、「味噌汁の摂取頻度」において有意差が認められた(p値0.02)。食生活・健康への意識では、「うす味を心がける」、「野菜を多く取るように心がける」、「新鮮なものをとるように心がける」、「食事が楽しみ」など、食生活に関する9項目中4項目において有意差が認められた。また、「運動をする頻度」においても有意差が認められた(p値0.001)。「介護予防教室」に参加している高齢者は、参加していない高齢者に比べ、たんぱく質、ビタミン・ミネラル群の摂取が高く、塩分摂取が低い傾向にある。また、食生活や健康への意識が高い傾向にある。