抄録
【目的】中国では近年急速な経済の発展と共に生活水準が上昇し、健康や長寿への関心が高まっている。そこで気候や人口が同程度である中国の江蘇省徐州市と、日本の京都市において中高年者の食生活の状態や長寿食に関する意識調査を行い、比較検討した。
【方法】自記式質問紙による、留置法と集合調査法を併用した。調査期間は中国:2008年4月~5月、日本:2008年9月、調査対象は中国及び日本の40歳以上の中高年各200名である。調査内容は、普段の食生活や長寿食に関する意識等である。中国は徐州老年大学の在学生143名、徐州市鼓楼区在住者42名、計185名(回収率92.5%)、日本では京都シニア大学の在学生112名、京都市伏見区在住者54名、計166名(同83.0%)の回答を得た。
【結果】両国の対象者とも、「栄養バランスをとる」「脂肪の摂取を控える」「野菜と果物を多くとる」ことに配慮した食生活を送っていた。「健康のため積極的に摂取している食品」(自由回答)を食品群別に分類した結果では、どちらも「豆類」「野菜類」「乳類」「果実類」「魚介類」が多く、「豆腐」「牛乳」「ヨーグルト」等の回答が多かった。「我が家の健康長寿食」としては、両国とも「魚類」「海藻類」「大豆などの豆類」という回答が多かった。中国の徐州市は内陸部のため肉中心の食生活であるが、近年川魚や冷凍魚の摂取の増加が見受けられており、今回もそれを裏付ける結果であった。食生活の情報源としてはテレビ、新聞、雑誌・本の回答割合が同程度であった。以上の結果、両国の対象者ともに長寿食に対する関心度や健康意識が高かった。中国は急速な経済の発展とともに生活水準が上昇しており、情報も発達し、健康な食生活に対する意識が向上している様子が伺われた。