日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-28
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ポスタ-セッション
大和野菜の栄養性および抗酸化性の評価
*山口 智子原 初代高村 仁知
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抄録


【目的】近年、地域で生産した農作物を地域で消費する「地産地消」への注目が高まっている。奈良県においても、地域に根ざした伝統野菜・特産野菜として大和野菜19品目が選定されており、市場への拡大が図られている。演者らはこれまでに、大和まなの抗酸化性に関して研究を進めてきた。本研究では、大和まな以外の大和野菜についても栄養性および抗酸化性を明らかにすることを目的とした。
【方法】大和野菜のうち15品目(半白きゅうり、大和三尺きゅうり、香りごぼう、宇陀金ごぼう、大和まな、ひもとうがらし、紫とうがらし、大和きくな、小しょうが、結崎ネブカ、千筋みずな、花みょうが、黄金まくわ、片平あかね、大和いも)と、比較対象としてスーパーマーケットなどに流通する一般消費野菜9品目(キュウリ、ゴボウ、コマツナ、シシトウ、シュンギク、ショウガ、青ネギ、ミズナ、ミョウガ)を試料とし、水分、たんぱく質、灰分、アスコルビン酸量、総ポリフェノール量および抗酸化性を測定した。
【結果】これまでに知られていない大和野菜15品目の一般成分ならびに抗酸化性が明らかとなった。大和野菜の中で、アスコルビン酸量はひもとうがらし、紫とうがらし、大和まな、千筋みずなで高く、総ポリフェノール量は大和まな、香りごぼう、宇陀金ごぼう、千筋みずなで高かった。抗酸化性は香りごぼう、宇陀金ごぼう、小しょうがで高かった。一般消費野菜と比較した場合、大和野菜の花みょうがや千筋みずなで特に高い総ポリフェノール量と抗酸化性を示し、花みょうがは一般のみょうがより総ポリフェノール量は約1.5倍、抗酸化性は約1.7倍、千筋みずなでは総ポリフェノール量は約1.8倍、抗酸化性は約2.4倍であった。

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© 2009日本調理科学会
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