日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-29
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ポスタ-セッション
カラフルポテトの抗酸化成分と調理による抗酸化活性の変化
*片平 理子William Mullen林 一也田宮 誠司森 一幸Alan Crozier
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抄録

【目的】近年、消費者の健康・天然嗜好、色彩豊かな食生活嗜好に対応可能な、赤や紫の肉色の塊茎をもつ新品種ジャガイモの育種が進んでいる。これらのジャガイモに含まれるアントシアニンやクロロゲン酸には、強い抗酸化活性があることが知られている。しかし、抗酸化物質の詳細や加熱調理による抗酸化活性の変化については明らかにされていない。そこで本研究では、赤紫肉色ジャガイモ中の抗酸化物質を同定し、各種加熱調理による抗酸化活性の変化を調べた。
【方法】長崎県産、西海31号(赤色系)、長系133号(紫色系)、トヨシロ(白色系)の各塊茎を試料とした。生および加熱調理(煮る、蒸す、電子レンジ)後に凍結乾燥した粉末、およびフライ加熱後の脱脂粉末から、1%ギ酸を含む50%メタノール溶液で抗酸化物質を抽出し、オンラインLC-MS-ABTSラジカル消去活性測定システムにより抗酸化物質の同定・定量と抗酸化活性の測定を行った。
【結果】3品種のいずれにおいても、主要クロロゲン酸として5-caffeoylquinic acidが同定された。赤色系、紫色系には白色系の約5.5倍(4mM)から7倍(5mM)のクロロゲン酸が含まれていた。主要アントシアニンとして、赤色系ではペラニン(pelargonidin-3-p-coumaroyl rutinose, 5-glucose)が、紫色系ではペタニン(petunidin-3-p-coumaroyl rutinose, 5-glucose)が同定され、これらが全アントシアニンの約8割を占めた。塊茎の抗酸化能におけるペラニンの寄与は低かったが、ペタニンは全抗酸化活性の約4割を占めた。クロロゲン酸量はフライ以外の加熱調理では殆ど減少しなかったが、アントシアニン量は加熱により減少し、特にフライ調理での減少が顕著であった。総抗酸化活性は、いずれの品種においても加熱調理による影響をあまり受けず、白色系ではフライ加熱によりやや増加した。
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© 2009日本調理科学会
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