抄録
【目的】野菜類に含まれるフラボノイドは高い抗酸化性を有する。一方,それらを摂取した場合,血液中のフラボノイドの抗酸化活性は遊離体や抱合体の他,血漿タンパク質との結合物の関与が考えられる。今回,不明な点が多く残されているフラボノイドと血漿タンパクとの結合物の抗酸化活性について,茶やたまねぎの抽出液を中心に検討した。
【方法】エピガロカテキンガレート(EGCG)やケルセチン(QC),および30種類の野菜類5gに水25mlを加え磨砕し,遠心上清をメンブランフィルターで処理したろ液を試料とした。反応はフラボノイド(0.5μmol/ml),あるいは 抽出液一定量と牛血清アルブミン(BSA,20mg/ml)を37℃,30分反応後透析し,得られた試料-BSA画分の抗酸化活性をAAPH-POV法(JAFC, 51,2912, 2003)で,ペルオキシルラジカルによるBSA画分の酸化的影響をAAPH-SDS-PAGE法(ICOS, HBP-108, 2007) により検討した。
【結果及び考察】 水抽出液において抗酸化活性の高かった茶やたまねぎのフラボノイドであるEGCGやQCは単独では高い抗酸化活性を示したが,BSAとの反応によりその抗酸化能は低下し, 特にQCで顕著であった。BSAはペルオキシルラジカルの暴露により酸化的傷害を引き起こすが,EGCG-BSAの透析画分では,その酸化的傷害を抑制した。 同様の結果は,EGCGをマウスへ投与し得られた血漿アルブミン画分でも認められた。これらの結果は,野菜の種類によっても異なるが,茶フラボノイドなどのアグリコンは,血漿アルブミンと結合することによりin vivoでの抗酸化能の発現に関与することを示した。