日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-31
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ペルオキシナイトライトに対する6種類のポリフェノール化合物の影響
*村上 恵
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抄録


【目的】一酸化窒素(NO)はスーパーオキシド(O2)と反応し、毒性の強いペルオキシナイトライト(ONOO)を生成する。このONOOは細胞障害を引き起こし、生活習慣病の発症に関わっていることが示唆されている。本研究では、活性酸素に対して抗酸化作用を示す6種類のポリフェノール化合物が活性窒素種であるONOOに対しても影響を及ぼすかどうかについて検討を行った。
【方法】ポリフェノール化合物としてカテキン、EGC、ECG、EGCG、ケルセチン、ケンフェロールの6種類を用いた。ONOO捕捉活性はDHR123を用いて、ジヒドロローダミンの生成量を吸光度法で測定した。ジヒドロローダミンの生成量を50%阻害するポリフェノール濃度(IC50)を算出した。また、ONOOによるチロシンのニトロ化を3‐ニトロチロシンの生成量より測定した。
【結果】今回用いた6種類のポリフェノール化合物は濃度依存的にONOOを捕捉した。IC50値はカテキン6.6±0.3μM、EGC8.3±0.2μM、ECG2.6±0.1μM、EGCG3.5±0.1μM、ケルセチン4.2±0.6μM、ケンフェロール11.7±0.1μMであり、ECGが最も強い捕捉能を示した。3‐ニトロチロシンの生成抑制ではEGCGが最も高い抑制能を示した。これらの結果は、DPPHラジカル捕捉能の強さと同様の結果を示したことから、活性窒素種に対しても同様に抗酸化作用を示すことが示唆された。

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© 2009日本調理科学会
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