抄録
【目的】 廃鶏は長期間の飼育により結合組織が発達して肉質は硬くしまっている。この硬い肉は食酢およびキウィにおける前処理により軟化するが、酸味が残り好ましくなかった。このため希釈した前処理液により廃鶏の肉の組織構造の変化を調べた。
【方法】 廃鶏のムネ肉を2.5×2.5cm、厚さ1.2cmで切り取り、食酢およびキウィを25~75%に希釈して15%の上白糖を加えた浸漬液に2時間漬けた。浸漬後は、未加熱および15分間茹でた後、10%ホルマリン液で固定しパラフィンに包埋して薄切した。標本は筋線維と膠原線維を染め分けるピクロシリウス染色で染めた。
【結果】 25%の食酢に浸漬した廃鶏の未加熱肉では、筋上膜の一部が分離していた。内部の筋周膜においては変化がなかった。75%浸漬液では筋上膜の結合が壊れて部分的に剥離した。内部の筋周膜は部分的に分離していた。キウィに浸漬した未加熱肉の筋上膜は、25%では部分的に分離して、75%では一部が剥離した。肉の内部の筋周膜では変化はみられなかった。加熱肉では、食酢に浸漬した肉の筋上膜は溶解して部分的に分離した。キウィにおいても同様の変化であったが、75%浸漬液ではほとんどが剥離した。