日本調理科学会大会研究発表要旨集
平成21年度日本調理科学会大会
セッションID: 2P-47
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ポスタ-セッション
かつお昆布だしのグルタミン酸含量に及ぼす昆布処理方法の影響
*神田 知子安藤 真美五島 淑子
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抄録

【目的】調理実習の教科書レベルにおいて,かつお節と昆布を混合した「かつお昆布だし」の調製法には,使用濃度や加熱時間,昆布の処理方法などに若干の違いが認められる。本研究では,かつお節と昆布の使用濃度を一定にした条件下で,昆布の処理方法の違いが,かつお昆布だしのグルタミン酸含量に及ぼす影響を検討した。
【方法】蒸留水に対して20 g/kgのかつお節と20 g/kgの昆布を使用した。だしを調製するため,昆布(10 cm角)をそのまま蒸留水に入れ,直ちに火にかけ,80℃で昆布を取り出した。次いでかつお節を投入し,火を止めて2分静置した後,キッチンペーパーでろ過したものを「無処理」とした。昆布に切り込みを入れ,「無処理」と同様に調製しただしを「切り込み」とした。また,昆布を30分間浸漬し,「無処理」と同様に調製しただしを「浸漬」とした。さらに,昆布を乾いた布で拭いたのち,「無処理」と同様に調製しただしを「拭き取り」とした。これらの遊離アミノ酸含量を高速アミノ酸分析計(L-8500,日立製作所)で測定した。
【結果】うま味成分であるグルタミン酸の含量は,「無処理」で646 nmol/ml,「切り込み」で725 nmol/mlであり,切り込みの有無による違いはほとんど認められなかった。「浸漬」のグルタミン酸含量は2898 nmol/mlと「無処理」の4倍以上であり,30分の浸漬処理は著しくグルタミン酸含量を増加させた。「無処理」のグルタミン酸含量は,「拭き取り」のグルタミン酸含量の354 nmol/mlに比べて1.8倍多く,拭き取ることでグルタミン酸含量は減少した。これらの結果から,グルタミン酸含量の高いだしをとるためには,昆布を拭き取る作業は表面の汚れをとる程度にとどめておき,昆布は30分程度浸漬しておくことが効果的であると考えられた。
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© 2009日本調理科学会
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